这段和上回合并起来是第一章内容。前半部分也是08年的时候就听过了。
(2013年6月1日修正)
(2022年4月17日再次修正)
第二回 赤月帝国Vol.2
CAST
ティル:鈴村健一
グレミオ:子安武人
テッド:石田彰
クレオ:竹間千ノ美
パーン:日野聡
ルック:福山潤
レックナート:大原さやか
テオ:山川敦也
ウィンディ:住友优子
バルバロッサ:银河万丈
メイド:テオマクドールさま、謁見の準備が整いました。こちらへどうぞ。
テオ:さあ、行こうか。ティル。
ティル:はっ、はい、父さん。
テオ:そんなに緊張するな。陛下は厳しい方だが、恐れる必要はない。
兵士:帝国軍大将軍テオマクドールさま、そのご子息ティルマクドールさま、皇帝陛下との謁見のため、ご入室いたします。
(足音)
バルバロッサ:おお、テオ、変わりはないか。
テオ:皇帝陛下、ウィンディさまにはご機嫌麗しゅう。陛下とともに戦った継承戦争の頃と同じく、わが剣、わが軍に衰えはございません。
バルバロッサ:頼もしい言葉だ。そうは思わんか、ウィンディ?
ウィンディ:ええ、陛下。ところで、そちらのかわいらしい坊ちゃんは?
ティル:ティル、ティルマクドールです。14歳になりました。
テオ:まだやんちゃ坊主ですが、そろそろ陛下のお役に立っても良いかと思い、同行させました。
バルバロッサ:そうか。ティルよ、ちょうど近衛隊に欠員が出たところだ。父とともにこの帝国に力を貸してもらえるか。
ティル:はい、必ずや陛下のご期待にお応えします。
ティル:けっこう深い森だね。テッド、グレミオ、パーン、気をつけて。
パーン:ああ~、ぼっちゃんの近衛隊としての初めての任務が、星見の結果をもらえに行くだけとはねえ…これじゃただのお使いじゃないか。もっとこう、血のたぎるような熱い任務のほうが…
グレミオ:何をいうんですか、パーンさん。星見は帝国の未来を占う大切なもの。立派な任務です。それに、これなら坊ちゃんがお怪我をされる心配もありませんしね。
テッド:グレミオさん、たとえどんな任務だって、オレがティルを守ってやるから心配要らないよ。なんだって、ティルはオレの親友だからな。テオさまに拾ってもらった恩返しにもなるしさ。なあ、ティル、どこでも一緒に連れてってくれよ、一生のお願いだよ。
パーン:また出た、テッドの一生のお願い。それ、今度で何度目?
テッド:細かいこと言いっこなし。
グレミオ:テッド君、いいですか。坊ちゃんが小さな頃から、ず~とお育てして、お守りしてきたのはこのグレミオです。坊ちゃんは、わたしがお守りするんです。
パーン:待て待て、留守中のテオさまに代わって、坊ちゃんをお守りするのは、このオレだ!
グレミオ:グレミオです。
テッド:オレだって、なあ、ティル。
パーン:いーや、オレだ。
(睨み合い)
クレオ:いい加減にしろ、みんなで守ればいい話だろう。ったく、本当にうちの男どもは、考え事もできやしない。
グレミオ:考え事?
クレオ:ちょっとな、テオさまの出征のことで気になるうわさを聞いたんだ。
グレミオ:テオさまの?今回は国境の守りに出向かれた、ですよね、確か。
クレオ:まあ、どうせただのうわさだ。気にしないでくれ。
ティル:それにしてもさあ、星見をしてる魔術師レックナートさまって、王宮からの依頼があるほどすごい方なのに、どうしてこんな寂しい場所に住んでるんだろう。
テッド:魔術師とか学者ってのはそういうもんだぜ。部屋に篭って考えるのがお仕事だからな。人がいると、気が散って集中できないんだぜ。
ティル:へえ、テッドって僕と同じ年なのに、いろんなこと知ってるよね。
テッド:そりゃ、お前。オレはあちこちを三百年…
ティル:三百年?
テッド:いっ、いや、なっ、なんでもねえよ。
(その後)
パーン:見えてきたぞ。坊ちゃん、あの塔じゃないですか。
ティル:ああ、高い。あそこからなら、確かに星も見下ろせそうだ。
テッド:だけどあちこち傷んで、今にも崩れそうだな。ちゃんと手入れしろっての!
ルック:悪かったね。
テッド:ああ、びっくりした。なんだよお前、オレの後ろに急に現れやがって。
ルック:あそこにはレックナートさまと僕しか住んでないんだ。だから人手不足でね。なんなら君たち、労働していく?ただだけど。
テッド:いや、けっこう。
クレオ:今のは風の紋章の魔法、テレポート?君みたいな少年がそんな力を使えるなんて。
ルック:君たち帝国の人間と同じレベルで見ないでくれる?僕はルック、レックナートさまの一番弟子さ。で、近衛隊のティルってのはどいつ?
ティル:ぼっ、僕です。
ルック:うん、君がね。来なよ、レックナートさまがお待ちだ。それに、ちょっと話があるんでさ。
ティル:ぼくに、話?
(星見の塔にて)
レックナート:ようこそ、お待ちしておりました。ティルマクドール、これが星見の結果です。お受け取りください。
ティル:ありがとうございます。よかった、これで初めての任務を無事に果たすことができます。あの、それで僕にお話って?
レックナート:お聞きなさい、ティル。わたしは星の流れを見て、そこに未来を読み取るのが仕事です。しかし、未来とは定められたものではありません。わたしにわかるのは、その大きな流れだけ。まだ若いあなたには、辛いことかもしれませんが、あなたはその大きな流れの中で厳しい運命を背負わされています。それは辛い選択であって、癒されることのない悲しみであるかもしれません。
ティル:ぼくが、ですか
レックナート:忘れないでください。あなたの未来はあなたの手の中にあります。何があっても自分が正しいと思う道を選び取るのです。そして自分の選択を信じるのです。わたしは遠くから、あなたの行く末を見守っています。
ティル:はい。ありがとうございます。では、失礼します。
ルック:いかがでしたか、レックナートさま。
レックナート:まさかあんなに若い少年だとは、運命とは残酷なものです。ですが、星はもう動き出している。やがて大きな戦が地上を覆い、108の星たちが集まるでしょう。天魁星の宿星を背負う少年、ティルマクドールのもとに。
ルック:天魁星、あいつがね。
ティル:ぼくが未来の大きな流れの中にいる。どういう意味だ?
グレミオ:ぼっちゃん、ロックランドに着きましたよ。
ティル:あっ、ご、ごめん、グレミオ。
テッド:どうした?レックナートさまのところから帰って来てから、なんか変だぞ。
グレミオ:お悩みごとでも?
ティル:大丈夫、ちょっと、考え事してたんだ。それより、今日の任務はロックランドの税金の滞納について調べるんだよね。
グレミオ:はい、なんでも財政難とかで。聞いた話だと、滞納している町や村は、他にもあるらしいです。最近は戦も大きな災害も起こってないのに、変ですね。
パーン:村の人間とっちめりゃ、すぐわかりますって。行きましょう。
ティル:うん。っ!
グレミオ:ぼっちゃん?どうしました?
ティル:あぁ、何かが飛んできて。
グレミオ:石?だ、だれですか!こんないたずらをしたのは!
クレオ:待って、グレミオ。子どもだ!
ティル:子ども?
子供:出て行け!帝国なんか大嫌いだ!
婦人:お止め、ぼうや。
子供:だって、帝国はぼくらをいじめるんだもの。
ティル:帝国が?あの、それはどういうことですか。
婦人:いえ、ちがうんです。なんでもありません。子どものやったことですので、どうぞお許しください。
ティル:あっ、待って!
村人(男):帝国の連中にお出しするものなんか、もう何一つ残っちゃいませんよ!
村人(女):これ以上、わたしたちから何を奪おうというんですか!
テッド:ティル。
ティル:何?テッド。
テッド:周りを見ろ!俺たちを見てる村の連中の目。俺たちが憎くてしかたないって感じだぜ。出直したほうがいい。
ティル:でも、それじゃ僕の任務が。
テッド:バカ!下手に刺激して暴動を起こされちゃ、任務も何もねえだろう。それに、何聞いたって、どうせこいつら話しちゃくれねえよ。
クレオ:やはり、あの噂は本当だったのか。
グレミオ:あ、クレオさん。魔術師の島でもそんなこと言ってましたよね。いったいどんな噂なんですか。
クレオ:帝国の政治が国民を苦しめてるって噂だ。あちこちの小さな町や村で反乱の手が上がり、テオさまの出征は国境の守りなんかじゃなくて、反乱分子の討伐らしい。
ティル:反乱分子!?
村人(男):この、皇帝の犬が!みんなで追い出しちまうぜ。
パーン:村の連中が集まってきたぞ。
テッド:早く馬に乗れ!
村人:帰れ…帰れ…帰れ…
ティル:帝国が国民を苦しめている。父さんが、父さんが忠誠を誓っている皇帝陛下が。そんな!